新人理学療法士にとって、毎日の臨床での疑問に対し最新の研究や情報にアクセスすることは非常に重要です。それらを調べる方法としてGoogle Scholarは、学術論文や研究成果を検索するための貴重なツールです。
この記事では、Google Scholarの使用方法と、その情報を臨床にどのように活かすかについて説明します。
Google Scholarの基本的な使い方
Google Scholarは、専門的な文献や論文を検索するための優れたツールです。まずは新人理学療法士がGoogle Scholarを使用する際の基本的な手順を紹介していきます。
- Google Scholarのウェブサイトにアクセスします。
- 検索キーワードや著者名、論文のタイトルなど、関心のある情報を入力します。
- 検索結果が表示されたら、適切な論文を選びます。タイトル、著者、引用数などの指標を確認して信頼性を判断しましょう。
- 論文の概要を読み、必要な情報を把握します。
- 必要に応じて、フルテキストの入手方法や引用情報の確認方法を調べます。
次からはこの基本的な使い方に沿って、より深い検索の仕方や臨床への応用方法を紹介していきます。
論文の検索戦略の構築
効果的な論文の検索戦略を構築することは重要です。Google scholarを使っていても、調べ方が違えば検索結果も大きく変わり、勉強にかける時間も変わってきます。効率よく勉強していくためにもどのように検索するのかもとても大切です。
- 具体的なキーワードやフレーズを使用して検索します。たとえば、「理学療法と脊髄損傷」といった具体的なトピックを指定することで、関連する論文を見つけやすくなります。
- フィルタリング: 検索結果を絞り込むために、日付、著者、ジャーナルなどのフィルターを活用しましょう。
- 相互引用リンクを追跡します。興味深い論文を見つけた場合、その論文を引用している他の論文を探します。
特に3つめは孫引きと呼ばれ、一つの論文を孫引き、さらにその論文を孫引きすることで無限に論文を調べることができます。これはとても勉強になったという論文があればどんどん孫引きしていきましょう。
論文の内容を評価する
論文の中でも自分の為になる論文とそうでない論文があります。Google Scholarで見つけた論文を読む際には、以下のポイントに留意しましょう。
- 著者: 著名な研究者や専門家による論文は、信頼性が高い傾向にあります。
- 要旨・概要: 研究の目的、方法、結果を把握し、研究デザインやサンプルサイズなどの詳細を確認します。
- 統計分析: データの信頼性や統計的有意性に関する情報が適切に記載されているか確認します。
- 臨床応用: 論文の内容が自分の臨床現場でどのように活かせるかを具体的に考えましょう。
どれも大切な内容ですが個人的には4つ目を特に重視しています。論文を読んで、「へー、なるほど」で終わってしまうのが一番もったいないです。その論文がどのように明日から臨床に活かせるかを考えるのが大切です。
臨床への応用
最終ステップです。先ほど述べたように、読んだ論文を臨床へ応用していきます。Google Scholarから得られた情報を臨床に活かす方法を考えましょう。
- 最新情報のキャッチアップ: 新しい治療法、介入方法、評価ツールなどの知識を習得し、臨床のプラクティスをアップデートします。
- エビデンスに基づいたケア: 特定の疾患や障害に関する情報を収集し、最善の治療アプローチを提供します。
- 研究の深掘り: 論文の引用リストを参考に、関連する論文や著者を見つけ、知識をさらに深めます。
- 情報収集の自動化: Google Scholarのアラート機能を活用し、関心のあるキーワードに関する最新論文を自動で受け取ることができます。
決めたキーワードに関する最新の論文を毎日アラートしてもらう設定などもできるのでおすすめです。
新人理学療法士のためのGoogle Scholarの活用法と臨床への応用まとめ
今回は新人理学療法士がGoogle Scholarの活用法と臨床への応用の仕方について紹介させていただきました。
Google Scholarは、新人理学療法士にとって有用なツールです。論文の検索と評価において、信頼性の高い情報を見つけるためのスキルを開発しましょう。また、Google Scholarから得られた情報を臨床で活用することで、最新のエビデンスに基づいた理学療法を提供できるようになります。
医療の世界では1年前に当たり前であったことが、今では推奨されていないなんてこともよくあります。そのため毎日勉強を続けることが必要です。
毎日少しずつでいいので勉強を続け、習慣化していけるようにいきましょう。
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